講座概要

  本講座は、当社の提供する「マイコン教育コース」に続く講座として位置づけられているCAN(Controller Area Network)通信編です。
「マイコン教育コース」では、最終ゴールを”DCモータの制御ソフトをハンドコードで実装すること”に設定し、そのソフトウエアを実装する為に必要な組込プログラミングの知識・技術を習得しました。他の講座と同様に、講師の説明・操作の実演と同じように操作して課題を実施する演習と、同じような課題を受講者様自身が自分で実施する実習のセットの構成になっています。この演習と実習の繰り返しによって、実際にCコード書いて実装の方法を身に付けていきます。

 元々、CANは自動車業界における規格でしたが、その汎用性と信頼性の高さから自動車業界以外の産業でも用いられるようになりました。
本講座はCAN通信に関する実習ベースの組込プログラミング演習ですので、隣の受講者と実際に通信するなどグループワーキング的な要素もあります。自動車業界以外の組込技術者の方も是非、この機会にCAN通信を習得していただければと思います。

マイコン学習キット


 本講座の具体的な課題は、1つのIDのCANメッセージの送受信から、演習→実習の繰り返しによって組込プログラミングを学習・習得していき、最終的にはマルチノード(複数ECU間)のCAN通信を実装するところまでやっていきます。

対象者

  • 組込開発(マイコンのソフトウエア開発)に携わる技術者

予備知識

目次

はじめに
  CAN通信の概要(歴史と用途、電気的特性とCANの仕組み)
  CAN通信の特徴(マルチマスター、IDベース、優先制御)
  CAN dbcファイル
組込プログラミング演習(1日目)
  CAN通信の送受信(基礎)
    演習1 CAN通信の送信(10ms定期送信)
    演習2 CAN通信の受信(割り込み/ポーリング方式)
    実習3 CAN通信の送信
    実習4 CAN通信の受信
  CAN通信の制御(フィルタ処理、エラー処理)
    演習5 IDフィルタ設定(マスク・フィルタ方式)
    実習6 IDフィルタ設定(マスク・フィルタ方式)
    演習7 エラー検出と処理
    実習8 エラーカウントに応じた動作変更(LED制御)
組込プログラミング演習(2日目)
  CAN通信のリクエスト&レスポンス
    演習9 CAN通信の送受信(リクエスト&レスポンス)
    実習10 CAN通信のリクエスト送信と応答受信
    実習11 CAN通信のリクエスト受信と応答送信
  【参考】 UDSの概要
  総合演習
    演習12 マルチノード通信
  【参考】 CAN FDについて
  【参考】 CAN通信のセキュリティと偽装対策

日数

2日間(1日7時間)

  • お客様のご要望に応じて、内容をカスタムすることも可能ですのでご相談ください。
  • 1日の講座に内容を圧縮することも可能です。また、さらに高度な処理(多フレーム送受信、8バイトを超えるデータ長の取り扱いなど)の応用的な内容を加えることも可能です。

受講料

オンサイト講座 1日:300,000円(税抜)

  • 10名を越える場合は、受講料が変わってきますのでお問合せください。
  • マイコン学習キット、開発環境のレンタル料が受講料とは別に必要になります。
  • 遠方の場合の出張費など別途費用が発生する場合もございます。また、予告なく変更・改定になる場合がございますこと予めご了承ください。
Information

 本講座は、MBDソフト開発に関する講座ではありません。
この講座によって、CANの概要や仕組みなどの理解を得ることができますが、CAN通信を実装する組込プログラミング演習を中心とした実践的な組込開発技術者向けの内容になっています。