標準的な開発プロセス から固有のプロジェクトへのテーラリング

 下記の図は、当社保有の標準的な開発プロセス(Automotive SPICE®準拠)から制御系開発とボディ系のようなソフトウエア開発の2つフォーマットへ展開した例です。

標準的な開発プロセスから実プロジェクトへのテーラリングの例

 下流のソフト開発の領域(上の図の薄い緑)においては、モデルベース開発(ACG)向けのプロセス、AUTOSAR向けのプロセス、ハンドコード向けのプロセスなどのフォーマットがありますので、すぐにご提供が可能です。

 「現在、ハンドコードで開発しているけどACG向けにプロセスを構築したい」、「要求、要件と各成果物の双方向のトレーサビリティを確立したい」、「AUTOSAR準拠のソフトにするにあたってこの機会にプロセスを見直したい」といったご要望の際に、お客様の今までのプロセスや今までの資産(設計書や報告書の雛形)を活かす形で、このようなフォーマットを用いて迅速に開発プロセス構築のお手伝いをさせていただきます。 

 また、当社で開発チームを構築して請け負うことも可能ですし、将来的にお客様ご自身で開発していけるように一緒になって開発をご支援させていただくことも可能ですので、お気軽にご相談いただければと思います。

プロセスの対比

 当社の標準的な開発プロセスは、下記の図にあるような対比を明確にして体系化しています。具体的には、上流工程のシステム設計では何を開発するのか検討する(設計する)。また、できるだけ事前検証(フロントローディング)をして手戻りのない設計をします。それに対して下流工程のソフト開発においては、検討したモノをしっかりと確実に作る(開発する)という対比です。もう一つの対比は、よく言われているような、左と右の対比です。設計した事が、設計とおりにできているか、作った後に右側で検証するという対比です。

プロセスの対比

 制御系開発であれば、左上の制御系設計では、制御で実現したい目的の明確化、その目的を達成する為に必要な制御の機能・目標値を決定して、コントローラを設計していきます。ボディ系のようなソフトウエア開発であれば、ソフトウエアで実現したい目的を明確化し、ユーザーの求めていること、すなわち、顧客のニーズ(要求品質)といった事をユースケースなどからヌケモレ無く全て洗い出して定義して、ソフトウエアの機能、振舞いに落としていきます。このように、上流工程の観点は、開発の目的、その目的を達成するための機能や振舞いが中心となります。
 それに対して、左下のソフト開発における観点は、設計した機能や振舞いを確実にしっかり作る工程(開発工程)になります。それは上流工程の設計とは違ったソフトウエア工学的なアプローチになり、設計工程とは異なる役割があると考えています。

 このように、左と右の対比だけでなく、上と下の対比も含めて体系化してある「標準的な開発プロセス」ですので、各プロセスの目的や各プロセスにおいて実施するタスクが明確かつ解りやすくなっていることから、自然と成果物の品質が向上するようなプロセスになっていると考えています。